森田MiW INTERVIEW#02-2
楠橋の工場スタッフと 手間暇かけて協働する商品づくり-後編
詩画作家 森田MiW
大阪府生まれ。
大阪芸術大学・工芸科陶芸専攻卒業。
詩画作家。
2000年より東京に棲む。
「洒落」てて「優しく」って「深く」て
「華のある」モノを。
微妙なニュアンスが大事になるんですね
そうなんです。例えばイエティのハンカチにしても最初の試作品は刺繍で毛並みを表現する部分がベタッとした感じで上がってきました。もっとバサバサした感じが出ないとイエティっぽくないなと思っていたら、クリエイティブマネージャーが「モフモフ感を出して毛並みを表現するようにします」と言ってくれて、最初に比べてギザギザと刺繍をすることで質感を出すようにしてくれました。他にも、一つの商品に何か所も刺繍が入っている絵柄に対しては、刺繍の枠を何度もセットし直す必要があるんですが、それでも楠橋紋織は時間と手間をかけながら刺繍の位置がずれないように丁寧に作業をしてくれています。
商品化を想定した絵柄での工夫は?
私自身も楠橋紋織の工場に足を運んで、どのようにタオルなどの布製品がつくられるかを見学に行き勉強をしました。実際に刺繍のデータ制作担当の方の作業工程を見ることが出来たことなど、商品づくりにとても役に立つ経験でした。ブランド商品を手掛ける回数が増えるにつれて私の方でも、経糸と緯糸による織りのギザギザを念頭に入れて曲線を滑らかにするなど、絵柄での工夫を織り込んでいます。また、刺繍の面積もタオルやハンカチになることを想定して小さくなるように意識しています。例えばハンカチなら刺繍が大きいとザラザラとして肌当たりが痛くなります。刺繍を大きくするとゴージャスになるかもしれませんが、使い勝手が悪くなるのは違うと考えているんです。楠橋紋織の織り・刺繍などそれぞれの担当者さんは、技術とセンスが素晴らしくて、私の絵に対して今ではすっかりコツを掴んでくれており本当に心強いですね。
細かな気遣いが
いくつも詰まっているんですね
正直、工場スタッフの方々からすると面倒な工程が多くて「マジか!」だと思います。「普通では経験できない難題に、みんなが楽しんで取り組んでいます」とクリエイティブマネージャーは言ってくれますが、完成までに時間もかかるし、面倒だし再試作は何度も頼んでくるし「ほんとうに、もぉ!」とか普通思うでしょう。そういう意味でも、一枚のタオルにもいろんなものが詰まっていると私は思っているんですよ(笑)。過去に他社でコラボレーション商品をつくった経験から考えると、試作は1回だけで終わるケースも多い。楠橋紋織は「これなら必ず人気が出て売れるよね」というところまで、絵柄の完成度もモノ自体のクオリティも高めてくれます。だからこそ、ブランドの評価につながっているのだと思います。
タオルやハンカチ以外への展開は?
当初は、楠橋紋織の本業であるタオルやハンカチなどの商品づくりでしたが、クリエイティブマネージャーと話をする中で、タオル製品という枠に捉われずに「暮らしを楽しくする」というテーマに沿って、ブランドの世界をもっと広げても良いよねという意見に至りました。それで、トートバッグやポーチ、ステーショナリーやカトラリーなどのプロダクトも手掛けるようになったんです。
商品づくりのこだわりは?
トートバッグやポーチなどのプロダクトになると、本当に使い勝手が良いか、品質が良いかという点などを、私自身が客の立場になって凄く考えます。いくら絵を気に入っても、鞄を持った時に腕に布の角が当たって痛いとか、洗ったらすぐにクタクタになるでは使い続けることができません。トートバッグなどはモノとしての便利さを意識して、私が型紙を制作したものを基に、楠橋紋織が形にしてくれました。お皿に関しては、収納しやすくて、一人で何種類も所有できて、プレゼントにも適しているようなものを念頭に形を考えています。サンプルをやり取りしながらイメージを共有して、楠橋紋織が陶磁器メーカーの選定から、品質のチェックまで行うことで商品化に至りました。
楠橋紋織の専門外の商品でも
コラボする理由は?
もちろん一人の作家として、他社からも文房具やアクセサリーなどプロダクトを出しませんかとお声がけ頂くことはあります。しかし、色々なところでコラボをしてしまうと、製造工程の違いでクオリティに差が出ると思うんです。それに流通面でも、例えば雑貨店で森田MiWの商品をたくさん並べたいという時に、それぞれの会社から仕入れるという面倒をかけてしまいます。既にモノづくりに対する楠橋紋織の高い志は分かっています。だったら楠橋紋織でクオリティを管理してもらい、発展させた方がお客様にとっても良いし、関係者には便利だし、私も安心してお任せできると言うのが、楠橋紋織と一緒にやっている理由です。
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About us
詩画作家 森田MiW
大阪府生まれ。
大阪芸術大学・工芸科陶芸専攻卒業。
詩画作家。
2000年より東京に棲む。
「洒落」てて「優しく」って「深く」て「華のある」モノを。
森田MiWの世界には
たくさんのコト、 モノが溢れる中、 何を選び何を大切にしていくか、不思議な世界を表現する森田MiWさんにお話を伺いました。
楠橋紋織株式会社
愛媛県今治市で1931年に創業したタオルのメーカー。
世界に向けて最適品質や使い心地を追求したモノづくりを目指す。
オリジナルブランドでは「moritaMiW」の他にも「ROYAL-PHOENIX of the seas」
「DOUBLE STAR」
「KuSu organic」などを展開。
森田MiWとの出会い
品質にこだわり続ける創業 90余年の伝統と技が
森田MiWの世界銀をさまざまなモノに描き出す